#02 なぜ同じにならないのか― 漿あわい染めの記録 ―
- 2 日前
- 読了時間: 1分
昨日の記事で
漿(かね)あわい染めについて少しだけ書きました
革・水・鉄
そのあいだで起こる反応によって
革に含まれるタンニンと鉄が結びつき
革の表面に景色が現れてくる
「同じ模様で作れるか」
答えは
おそらく「できません」
正確に言えば
近づけることは出来ても
同じにはならない
それは
漿あわい染めが
人が模様を描く染色ではないからです
革の状態
湿度
温度
鉄の表情
時間
ほんの少し条件が違うだけで
驚くほど結果が変わってしまう
同じ革でも違う
同じ季節でも違う
昨日と今日でも違う
むしろ
思い通りにならないことこそ
この素材の本質なのかもしれません
普通
ものづくりでは
均一性や再現性が求められます
同じものを
同じ品質で作ること
それはとても大切なこと
けれど
漿あわい染めに関してだけは
少し感覚が違います
こちらが支配して作るというより
素材同士が静かに反応し合い
そこに現れたものを受け取る感覚に近い
作るというより
待つ
整えるというより
現れるのを見守る
だから
同じものは二度と生まれません
その代わり
一枚ごとに
その時だけの景色があります
少し大げさかもしれませんが
漿あわい染めは
模様ではなく
時間の痕跡なのかもしれません




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